制動装置強度検討書
主にブレーキ関連の強度検討書です。特に重要な部分のため強度検討も細かな点まで算出していきます。ドラムブレーキの検討事例が多くありますが、トレーラーの場合にはチェーン式の制動装置も認められています。
■ドラムブレーキの場合
[ブレーキドラム強度]
ブレーキドラム内半径・外半径と素材の引張強度からドラムが破壊される時の内圧を算出、その後、ドラムとライニングとの最大面圧を算出し安全率を求めます。
[ブレーキシュー強度]
ブレーキシューの強度計算では、シューを円弧アーチとみなして等分布荷重両端ピン支持として計算を進めていきます。カムの応力からブレーキ押力を算出し、モーメントから曲げ応力を計算します。そこから安全率を求めます。
[アンカピン強度]
シューのアンカピンについて強度検討します。ピン1本当たりの受ける力から安全率を求めます。
[カムシャフト強度]
ブレーキシューを開くために動作するカムを回すシャフトの強度計算です。カムシャフトにかかる力(エアチャンバやマスターシリンダーからの圧力・駐車ブレーキの場合はワイヤーからの力)からトルク計算して安全率を求めます。
[ハブ強度]
フランジ部分の車軸方向(横方向)の強度を計算します。フランジ部の最小面積から安全率を算出します。
[ハブボルト強度]
車重と上下振動加速度からボルト1本当たりのせん断力を算出し、安全率を求めます。
制動装置は自動車の各部品の中でも一番重要といっても過言ではありません。自身の命だけでなく、周囲の人々の命にも関わるパーツですので、しっかりとした強度確認が必要となります。