車内設置する電子機器に動作確認用のLEDが取り付けられており、青色LEDが点滅する商品について輸入パーツを取り扱うメーカー様よりご相談がありました。
数百台販売済み、既に継続検査を受けた車両もかなりあり特に問題視されたことはなかったが、某検査事務所で保安基準に適合しないとの判断が出たとのこと。
関連する法令等を確認すると以下の通りです。
[別添52 灯火器及び反射器並びに指示装置の取付装置の技術基準]
「灯火等」とは、道路を照射する又は他の交通に対し灯光又は反射光を発することを目的として設計された装置
[(その他の灯火等の制限)第四十二条]
自動車には、第三十二条から前条までの灯火装置若しくは反射器又は指示装置と類似する等により他の交通の妨げとなるおそれのあるものとして告示で定める灯火又は反射器を備えてはならない。
[道路運送車両の保安基準の細目を定める告示]
6.自動車には、次に掲げる灯火を除き、点滅する灯火又は光度が増減する灯火(色度が変化することにより視感度が変化する灯火を含む )を備えてはならない。
8.自動車に備える灯火の直射光又は反射光は、その自動車及び他の自動車の運転操作を妨げるものであってはならない。
まず、「点滅する灯火又は光度が増減する灯火を備えてはならない」とあるので、点滅する灯火はアウトになります。
しかし、点滅する「灯火」はダメであるため、「灯火」とは?を調べたところ、基本的に、「「灯火等」とは、道路を照射する又は他の交通に対し灯光又は反射光を発することを目的として設計された装置」となります。
今回の点滅LEDは、道路を照射するための物や他の交通に対し灯光するものでもありませんので、「灯火」には該当しなのではないか?という疑問が出てきました。
さらに、「自動車に備える灯火の直射光又は反射光は、その自動車及び他の自動車の運転操作を妨げるものであってはならない。」とあるように、自車や他車の運転操作を妨げるようなものではありませんでした。
実際の写真は、
大人の事情で大半にボカシを入れましたが、赤色四角部分の中央に青色の点があります。この部分が点滅LEDです。
実際に数m離れると目視することができない程度のものです。
国土交通省・運輸局・自動車検査法人本部・検査法人事務所など、関係各所に打診し伺ったところ、「基本的に現車判断なので現場の検査員に任せる」との回答が多かったのですが、受ける事務所によって判断が違うのも問題であるため、本部見解を求めました。
その結果、あくまでも現車判断が基本なので、他のLED点滅に関してはその都度判断するとの前置きで、今回の問い合わせ内容(上記写真やその他資料も提出済み)に限定すれば「灯火とはみなさない」との正式回答を頂きました。
担当官の個人的な話として、「これを灯火としてしまうと、他にも車内設置の光るもの(液晶モニターなど)があるため全て外部から見えてはいけない事になってしまう」との事でした。